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縁猫〜縁側で猫と暮らしたい〜

漫画・本・映画等好きなもの・気になることについて書き留めて共有する場がほしいなあと開設しました。将来は書斎と縁側のある家で猫と暮らしていたいです。

映画「LA LA LAND」観たよ。


夢追い人のための映画で

夢を見るための映画で

夢がある映画でした👏🏻👏🏻👏🏻

 

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初めから言い切りたい。

 

「これは、ロマンティックであり、

ドラマティックであり、

ひとつまみの現実が添えられた映画。」

 

この映画の賛否が別れるのは

そこにポイントを置くかではないかと思う。

ミュージカル映画って、

より音楽など付随するものに

質が求められる印象。

 

そして私は、そのひとつまみこそが

夢を追う人へのエールに思った。

 

「ドラマチックで何が悪い」

劇中の台詞、拾いました。

 

それでは本編へ。

 

オープニングを観て

「あーミュージカルだ」と思ったのも束の間、

夢の頂を目指すひたむきな歌詞と

明るく賑やかなパフォーマンスに

拍手を抑えるのが一苦労。

 

あんなに大規模な場所と人数、

映画とはいえよく形になるなあと

すでに夢を見ているよう。

 

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私は夢を持つことが好きで、

持っている人が好きで、

それを応援することが自分の夢だと

そう感じてきました。

 

私の夢は、漫画を中心とした出版物

およびその作家さんたちの応援です。

これまで自分を支えてくれた

作家さんと作品がまた誰かを支え、

愛されるように尽くしたい。

 

夢って口に出すと陳腐で儚いです。

そんなものを持っているのも、

人に示すのもエネルギーを使う。

 

だからこそ、夢を抱いて前を向く人たち、

夢のために何かを手放す覚悟を持つ

ミアたちに惹かれてやまない。

 

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物語は、彼/彼女がお互いの夢を

大切にした顛末。

彼女は彼の夢を応援していたから

彼とケンカをして、

彼は彼女の夢を応援していたから

彼女を見送った。

 

ラストの微笑みが意味するものは

各々で解釈するのがいいと思うけれど、

「良かったな/良かったわね。ずっと愛しい人。」

…そんな台詞が入るようでした。

(なんて恥ずかしい)

 

忘れられない大切に思える人がいる、

ということをとても素敵に思えたのです。

夢を掴むために手放すことを

後悔しないでいられる気がして。

観る人によって違う反応は、

映画の面白さのひとつですね。

 

さて、

 

ライアン・ゴズリング演じるセバスチャン。

ピアノを弾き切った努力に拍手を送りたい。

それが確かにピアニストの音ではない?と

感じさせるものであったとして

(素人の耳でさえなんとなくわかる)、

それは努力を惜しんだ結果ではない。

 

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この映画には、彼の演技と歌とダンス、

それに加えてピアノが必要だったのだ。

全てがパーフェクトだったら良かっただろう。

しかし、それを期待することと

ミュージカル映画としての価値は、

噛み合っていないように思うのです。

 

誰がピアノも極めてダンスも極めて

歌も極めて演技も極められるの?

ほんとうにそれを要求してるの…?

一回ちょっと、4足のわらじで

頂点とってもらえますか、と。

 

そして、

 

エマ・ストーン演じるミア。

彼女がとった行動はとても女優めいていた。

役を取るためにパーティに行き

それなのにジャズ男と付き合い、

楽しく過ごしていたものの

自分の夢のために別れる

そして自身は幸せな家庭を手に入れる。

その堅実さがとても女性的で清々しい。

 

私は予告映像から彼女に首ったけだったので

とても恵まれていたと思います。

ヒロインに惚れ込めるのは映画の大事な要素。

 

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彼女の歌った最後の歌が脳裏に焼きついた。

 

「反逆者たちよ 小石から生まれるさざ波を集めましょう 画家に 詩人に 役者たち」

 

ちょっとした狂気から始まるインパクトが

世界を色づかせ面白くする。

ずっと、ずっとそう思って生きてきた。

 

この映画が評価されたのは当然だ。

その理由を、前評判に文句を抱いた人は

考えてみてほしい。

 

始めに評価するのは基本的に、

映画を観てきた人、作ってきた人、

何かを生み出してきた人たち。

 

ミアやセバスチャンのように

夢を見てきた人たち、

小石を投げてさざ波を起こそうとしてきた人たち、

そんな人たちが共鳴したからこその評価なのです。

 

と、想像のお話なのですが。

 

個人的なお気に入りは、

二人が3度目に出会った月夜のミュージックシーンに

口笛が入るところでした。

聴いていて楽しいんですよね、口笛。

 

目にも耳にも楽しいミュージカル映画

劇場で観なくてはならない、

と思う体験としては十分でした。

いや、十二分でした。

ドルビーアトモス(音響に力を入れたシアター)

で観るのもおすすめです。

 

賛否両論は当たり前、映画は娯楽でエンタメ。

私は観て楽しめればそれでいいタイプです。

だって映画は大衆のものだもの、

知識のあるないに関係なく愛されてほしい。

 

「すべての事業の対象は大衆であり、

どんな仕事の末端も大衆につながっている。」

という東宝宝塚歌劇団の創業者、

小林一三さんのお言葉を知って以来

娯楽とはそうであれと思っているのです。

 

とはいえ、批判的な論評は結構好きです。

批判こそ映画への想いがあるし

知識が置かれてる。

なるほどなあーと自分の無知さを恥じ、

逆に言えば多くのことを楽しめると

少しハッピーさを感じる。

 

しかし、ストーリー展開としての

ミュージカルの限界に非を打ったり

ジャズやピアノやなんだが

足りてないと不満に抱いたり

主演の好みは仕方ないとして。

 

夢を見たくなる映画を観て、

後押しされてみませんか?

 

夢追い人が大好きな私は、

この映画で少しでも夢が増えたり

継続されるといいなあと思ったのでした。

 

明日にはまた、新しい一日が始まるのだから。

 

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おまけ①:オザケンの曲がハマる

 

友人がオザケンこと小沢健二さんの

「流動体について」

とのシンクロがやばいと教えてくれました。

 

ちょうど公開日のMステに出ていたので

確認してみると…やばい。

 

https://youtu.be/hkMVXiKQNM8

一応YouTubeのティーザー映像がこちら。

あまり聴けないので、

歌詞を読むことをおすすめします。

 

http://sp.utamap.com/showkasi.php?surl=k-170301-247

うたまっぷ仕事早い。

 

おまけ②:やっぱり衣装が素敵

 

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俺マン2016〜140字では足りない〜(2)

 

続きです。

俺マン2016〜140字では足りない〜(1) - 縁猫〜縁側で猫と暮らしたい〜

番外編と次点だった作品たちをこちらで紹介。

 

 

 

番外編『Gのサムライ』田中圭一リイド社
 

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島流しにあった侍と貴族の二人が、いかにして女人との交わり(に近い自慰)をできるかああだこうだと毎話試している。はっきり言ってめちゃくちゃしょーもない。その男子中学生が歴史の授業中に描いたネームかのような、最高の笑いをありがとうございます(笑)今年は「このマンガがすごい!」「このマンガを読め!」にランクイン、「SUGOI JAPAN  Award 2017」マンガ部門の最終候補20作品にもノミネートされています。なんですかね…これを他のマンガと並べて俺マンやるの違うと思って番外編にしました(笑)いや、凄く面白いんですよ。
 
 
 
 
ちなみにこちら、トーチwebというwebマガジンに連載されていた作品です。
 
webとは思えない読み応えのある作品が多いサイトで、かなり推してます。
他にも『盆の国』『定番すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む』など、紹介画像だけでも見て!笑というのがいくつかあるので追記します。

 

 
 
次点『私の少年』(高野ひと深、双葉社
 

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私、ショタコンではないはず。ないはずなんですけど。抗えない「美少年かわいい」がここに詰まってました。疲れた独身OLに、ペット代わりにあげたい一冊。「マンガ史上最も美しい第一話」と煽られているのにも納得です…書店員さんにもプッシュされているのを感じる。「このマンガがすごい!2017 オトコ編」では2位にランクインしています(掲載誌が月刊アクションなのでオトコ編なのかと。内容は女性向け)。
 
実はこれもアプリ等で試し読みできます。pixivコミックで最新話が読めるみたい。
 
Kindleでも1話試し読みやってますね。

 

 

 
 
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5巻を超えてから面白さの加速スピードがどんどん上がってます。昨年の代表作と言われて過言じゃないマンガ大賞2016を受賞しましたが、勢いが止まりません。食事や狩猟シーンに出るアイヌ文化は興味深くて飽きがこないし、キャラの濃さが増していちいち笑わせてくる(笑)「不死身の杉元」「脱獄王の白石」、肩書きからは想像できないお茶目たち。ヤングジャンプらしさもあり、私的には今一番「ジャンプ」を感じています。
 
 
 
 
次点『MAMA』売野機子、新潮社)
 

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少年合唱団を舞台に、オムニバス形式で展開されていく。「思春期に感じるコンプレックスを煮込んで、それを少年たちが美化してくれた」と思えるほど、描いている題材は重たいのに兎角綺麗なマンガでした。LINEマンガで読み始めて以来、すっかり売野先生にハマって単行本集めてます。
 
 
 
 
次点『アヤメくんののんびり肉食日誌』(町麻衣、祥伝社
 

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「おっぱい触らせてください」という見過ごせない帯に、爬虫類に囲まれた黒髪青年の表紙、タイトルはのんびり肉食日誌。いろんな要素が呼んでいる…と1巻発売の時点から読んでいましたが、恐竜バカな少年のようだったアヤメくんが最新巻で急に頼もしくなったのにトキメキが止まらず。6巻にしてなおピーク。詳細はまだ出ていませんが、映画化も決まったみたいです。
 
 
 
 
これで「俺マン2016」、続編も終了です。
 
夜通し推しマンガについて書いていたら、もう朝でした。寝ます。
 
 
 
追記
 
リイド社「トーチweb」のおすすめ作品を、HPから拝借した紹介画像と共に並べていきます。

 

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『盆の国』スケラッコ
エンドレスサマーのお話。HPとかツイッターで見れるGIF画像が爽やかで良きです。「このマンガを読め!」では1位に。
 

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『くも漫。』中川学
実はまだ読んでいないのですが、お笑い芸人の「脳みそ夫」さんが主演で映画化したのでかなり気になっています。脳みそ夫さんには年始番組・お笑い荘で会えます。
 

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『107号室通信』カシワイ
トーチwebを見つけたきっかけの作品。もともとカシワイさんの描くイラストが好きでツイッターをフォローしていたのが始まりでした。
 

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『サザンと彗星の少女』赤瀬由里子
とても豪華なカラーマンガ。タッチを見る限り全て手塗りのカラーなんです。一見の価値あり。

 

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『魔術師A』意志強ナツ子
アングラっぽいのもあります。作者はチェコの国立芸術大出身らしい。最果タヒさんといい、ペンネームが今時な感じ。
 

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『彼女のやり方』田所コウ
見ての通り、爽やかなエロスです。毎話読み切りなので、サクッと読んでみませんか。
 

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 『定番すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む』ドリヤス工場
「その名作、読んだことないのに知ってる気になってた」を短時間で解消してくれます。知ってる名作をこれで読むのもまた、面白い。
 
 
 
最後にもう一度だけ。
 
 

俺マン2016〜140字では足りない〜(1)

 

今年もやってきました、年末恒例の「俺マン」。

 

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2年くらい前から私もTwitterでやり始めて、なんで#俺マンってタグなんだろうなーと思ってました。

気になったのでさっき調べていたら、2011年末から始まったTwitter発の有志企画だったみたいです。正式名称は「俺マンガ大賞」。

選定基準とかないから、この1年で面白かったマンガを好き勝手発表していきましょーていう。

 

今、デジタルマンガをテーマに卒論を書いているところでマンガ熱がとにかく高まっていて、「140字では収まらない」とこっちにも書くことにしました。

卒論も大切だけど、これはやらないと年を越せない。

 

と、それでは早速「俺マン2016」5位からです。

 

 

 

5位『ACCA13区監察課』オノ・ナツメスクウェア・エニックス

 

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今月12月の新刊が最終巻。6巻完結という適度な長さで、自治組織ACCAのある国が紡がれます。主人公の監察課副課長・ジーンはオノナツメ先生特有の無機質なダンディさ。全巻通して台詞は少ないのに、不思議とお気に入りのキャラです。13区ごとに異なる地域性も楽しみのひとつで、ケンミンショーを見ているかのよう(笑)最終話にして一番の種明かし、盛り上がりがあったのでかなり気持ちよく読み終えました。のでランクイン。

 

最終話が山場なのは『四月は君の嘘』もでしたが、こういうの清々しくて好きです。ちょうどKindleで1巻試し読みをやっています。
 
 
 
4位『中学聖日記』かわかみじゅんこ祥伝社
 

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表紙がとっても素敵で、その繊細で柔らかい印象を一度見たら忘れられませんでした。売れるマンガって表紙の引力が凄い。男子中学生と女教師。設定はまたまた…となりがちだけど、黒岩くんの仕事ぶりにやられた。全然甘くない、何を考えてるのかわからない、何をするかもつかめない、けど何故か可愛い。彼氏持ちの聖ちゃんにイラッとしてるふてくされた男子中学生が可愛い。今年「ananマンガ大賞を獲ったくらいなので、20、30代女性にはうってつけのマンガです。
 
 
私が1巻をレンタルで読んだ頃には2巻が発売されていて、レンタル返却と同時に買いに行ったはず。
 
 
 
3位『帝一の国』古屋兎丸集英社
 

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今年の春頃、最終巻を迎えていた本作。『ライチ☆光クラブ』の古屋兎丸先生がぶっ飛んだ全力奮闘マンガを描いてくれた。旧帝国大の雰囲気を醸す高校で、将来の総理大臣への地盤を築くため「生徒会長」を目指す赤場帝一。完璧なのかと思っていた帝一は、アホかと思うまで健気で・必死な・せこい優等生!本人は真剣だからこそこちらは笑ってしまう。いつもはアングラ感の強い作風なのに、この古き良き青春感はどこからやってきたのか(笑)菅田将暉を主演に映画化も決まったので、怖いもの見たさでいいから試してみてほしい。
 
▼映画『帝一の國』公式サイト

www.teiichi.jp

映画公式:映画「帝一の國」 (@teiichi_movie) | Twitter

古屋兎丸先生:古屋兎丸(@usamarus2001)さん | Twitter

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おそらく、歴代で一番読みやすい古屋作品です(笑)

 
 
 
 

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言わずもがなの人気マンガをランクイン。というのも、3年半ぶりの新刊でやってくれましたね冨樫先生(笑)という思いで。幽☆遊☆白書』の魔界編的展開が過ぎります。クラピカの残る人差し指の能力を待ちわび、暗黒大陸の設定が凝っていることに胸を躍らせながら、また残り2巻で呆気なく終わったりしちゃったりして…と怯えています。ゴンのお父さん・ジンの戦闘(といっても本気ではない)も見れて、待っただけある大満足な内容でした。やっぱり冨樫先生は天才
 
 
連載再開と新刊発売、次はいつになるのかな…^^ 
 
 
 
さていよいよラスト、1位です!
 
 
 
1位『ファイアパンチ』(藤本タツキ、集英社
 

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「面白いマンガ見つけたー!!」と今年一興奮させられました。ジャンプ+で一話を試し読んだら、あれ?こんなクオリティの高いマンガ、スマホで読んでる場合じゃなくない?とすぐさま書店へ。絵も世界観もしっかりしていますが、一番の凄みは「展開の読めなさ」。全く先が予測できないのでもう委ねてます。クレイモア進撃の巨人を彷彿する空気だけど、それよりも生々しい人間の狂気さがある。あの流れから「犬とセックス」の発想は常人のそれじゃないです。タイトルのダサさは気に止めず、今すぐ既刊3巻を購入してジャンプ+の最新話に追いつくことをおすすめします。ちなみに週刊連載。ちなみに主人公の能力は炎じゃない(ここポイントです)。
 
 
 
繰り返しますが、これジャンプ+(アプリ)で読めます。
本気で推してるので二度言ってしまいました・・・(笑)
 
 
 
 
このマンガがすごい!2017 オトコ編」では3位にランクインし、今後最も注目されていく作品になるのではないでしょうか。いやなってほしい。
 
 
 
と、1位まで発表したのですが、ここで殿堂入りの作品も。
 
殿堂『キングダム』原泰久集英社
 

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既刊44巻。未だに新刊が出るたび電車に乗る前に買って、読んでは車内で目頭が熱くなるだけでは収まらないくらいに熱い(周りにバレたら気まずい)。今年は長い間お頭こと桓騎将軍を拝めて嬉しかった。ベストシーンは渕(えん)さんの激流・川綱渡り。居場所に悩んでいる時、頼られるって本当に嬉しい…任せてくれた信のために頑張りたい…!と共感してしまう場面でした。豆知識:作者の原さんは会社員時代の同僚をもじってキャラの名前にしているそう。地味に好きな桓騎軍のオギコも、同僚の方がモデルでした(笑)
 
 
 アメトーーークで話題になったのが思い返されますが、まずは1巻。5巻まで読んで面白いと感じたら、もう大丈夫です。キングダム沼が待ってます。
 
本当に勧める人勧める人がハマっていくのでこっちまで嬉しくなっちゃいます(笑)
特に社会人の方がハマる傾向にあるみたいで。お正月休みを機に、いかがですか?
 
余談ですが、27日に仕事納めしていた作者・原さんのツイートへリプライしていたら、なんと引用RTが…!!
 

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あらゆる機会で Twitterの恩恵を受けた2016年でした。
原先生、Twitter、共にありがとうございます!
 
 
 
以上、「俺マン2016」をお送りしました。
今年は新しい作家さんとの出会い、新しい連載との出会いが良かったように感じています。
 
また来年も、プッシュしたくなる面白い作品に出会える1年になりますように。
 
 
 
番外編・次点作品はこちら。 
 
 

浮世絵販売が行われていたので、立ち止まって見てみた(2)

(1)の続き

浮世絵販売が行われていたので、立ち止まって見てみた(1) - 縁猫〜縁側で猫と暮らしたい〜

 

2016年現在、情報は無料(タダ)だという感覚になっていて、私も同様です。雑誌を立ち読みしても買わないことになんとも言えません。

インスタグラム盛況期の今は、ライフスタイルが好みな人や趣味が同じ人のアカウントをフォローしていれば自然に情報を受け取れますし、

好きなブランドをフォローしていれば雑誌よりも早く新作を見ることも、リアルタイムで店頭やセールの情報を知ることも可能です。

 

可愛い子が見たかったら、おいしいお店が知りたかったら、流行をキャッチしたかったら。これまで雑誌に求めていたことは正直、インスタグラムにあります

誌面のように目を楽しませてくれるセンスのある人がいるし、スタイリストさんは自分で発信してくれるし、広告すら料理動画を流してくれる。

そのアカウントをインスタグラムで見つけるのが先か、雑誌や書籍を見てから探すのが先か、ってくらいです。

中でもインスタグラマーは、自分のホーム画面や発信スタイルに統一感をだしてそのこだわりを貫いて安定した頃から人気に火がつく流れが多いので、その自己プロデュースは編集のそれだと思います。

 

リアルな気持ちは、雑誌が溜まると捨てるのは面倒。たまに気に入った表紙だったら買おうか悩む。最近付録を目当てに買う気持ちもわかってきた。そんなところです。

 

けれど。

 

時代のアイコンとなるモデルを育ててきたのは雑誌です。同様に、マンガ作家を育ててきたのも雑誌です。週刊少年ジャンプなくしてONE PIECEは読めなかった

 

さらなる個人的気持ちで言うと、週刊ヤングジャンプなくしてキングダムは読めなかった

 

それがどういうことか、想像してみてください。(ここからはマンガについての話になります。) 

 

どうして出版業界は個人だけでなく、編集や校閲、営業と多くの人が関わる業界となったのかを考えてみました。

同じ文化と括られる中でも、絵画や彫刻の作品は大抵一人で作り上げてしまうのに、なぜ出版は違うのだろう。そこに差があると考えます。

 

まず大きな差として、出版は印刷技術、今ではデジタルの力によって、多くの人に向けて同一のものを提供できます。

対して、絵画や彫刻の良さは生でしか感じられない質感や温度、複製するにも技術がいる希少さが含まれています。だからこそ、多くの人が体感できるよう美術館が存在し、個人の手元に置きたい人は高値でやり取りする。

浮世絵のおじさんも、「質で商売している美術館はなくならないよ」と豪語していました。

 

ひとつの絵画が数千〜数万で取引されるとして、緻密に練られたストーリーと絵が合わさったマンガという作品がどうして420円で読めるのか。子供の頃の自分たちには気軽に買えるものではなかった分、一冊一冊、作品を大切にしていました。でも、子供が楽しめる距離感の存在だった。

ましてや、一般の人がネットに公開しているマンガをどうして無料で読めるのか

対価を払わずに得ているものの価値とはなんなのでしょう。

 

そう考えていると、商業マンガとして雑誌に連載しているマンガは出版社の保障付きなのではないかと思えるようになりました。

野菜やお肉を買う時に、海外産より日本産の方が安心できます。洋服や機械製品も産地やブランドによって安心感や満足度が変わりますよね。

 

出版社でマンガを連載している人は、少なくともその看板を背負ってきた先輩作家の方々を見ています。しのぎを削ってきた人も励まされた人もいるでしょうし、的確なアドバイスをいただいていることもあるのでしょう。これは記事から読み取れる想像でしかありませんが。

どこの社会にも先輩や同僚、後輩から刺激をうけながら高みを目指す環境は、良い成長を生むのだろうと思います。

それに、そんな人の気持ちを知っている人が描いた作品こそ、読んでいて忘れられない作品になる。ONE PIECEもキングダムも、熱狂を巻き起こしている作品の人を通じた熱さといったらないです。

 

個人で食いつないでいくには、マンガの単価は安すぎる。一度下がった単価を上げることは難しいと、私にもわかります。それを個人で単価を上げようというのならなおさら。

そしてマンガは広く読まれるために、楽しまれるために、ワンコインで売られている。

 

だからこそ、作家さんが育つ環境、謝った情報を広めない関所、その作品を売るための体制が出来上がった。それが出版社だった

と、私は思っています。(実際どうなのかは、出版社が設立を始めた当時の人にお聞きしたいところですね。)

 

さらに、マンガは「情報」ではなく「作品」なので、多くの人が発信できるものではありません。

ましてや「お金を出してまで読みたいと思える作品」は、情熱をかけて、人生をかけて、練られたものなのではないでしょうか。

そんな作品を、時にはタダで読んでいる自分が不思議です。マンガアプリの試し読み大好きなのだけど…。

 

アイドルブームが続いていますが、あれもまた「彼女たちの物語」というコンテンツのように感じます。

若くて、可愛くて、キラキラした世界に憧れる女の子たち。

そんな彼女たちが成長していく物語に、ファンとして参加し、支えていく。 彼女たちが自分の時間、ひいては人生をかけて努力して悩んで戦っているからこそ応援したくなる。

そこで、「応援=投資」という形で示さないとですね。実際、商業コンテンツを楽しみ続けるには欠かせないことです。

 

今、マンガアプリでたくさんのマンガが無料で試し読みできますよね。

それってどうなのだろう…と既にマンガ好きの私は思っていたのですが、「マンガ好きの始まりはタダでマンガを読むことから」だと思い出しました。

 

まだ5、6歳の頃、お父さんが揃えていた『ドラゴンボール』を内容を覚えるまで読んでいました。面白いのもそうなんですが、他に読めるマンガがなくて(笑)

姉がいる私はその後、姉が集めたマンガを片っ端から読んでいきます。『魔法陣グルグル』『ママレード・ボーイ』『封神演義』…、どれもタダ読みです。

お小遣いをもらえるようになってやっと、好きなマンガを買い始めました。

 

確かに雑誌を買う人は少なくなって、コンビニで立ち読みする子供も少なくなって、学校でタブレットを配布しだすくらい紙に触れる機会は減っている。

 

けれど、それは「マンガの面白さ」が損なわれているわけじゃない。

 

アプリだろうが雑誌だろうが、デジタルだろうが紙だろうが、まずは読むことから。結果、マンガを好きになってくれれば本望だと

 

一瞬でお金を払うくらい好きになることも、そこまで好きになるには時間がかかることも、両方ある。

それに気づくのに、遠回りをしていた気がします。やっぱり、言葉にして考えるのって大切ですね。

 

コンテンツの種類が増えた分、日本市場から得られるコンテンツあたりのお金が減っていくのはどこの既存コンテンツも同じなのでしょう。(定額制配信の定着によってどれだけ変化が生じるのかはこれからですね。)

今の子供って本当にYoutuber好きらしい。

高校の授業や文化祭をきっかけに初めて動画を作っていた私たち世代と違って、今はスマホひとつで簡単に動画編集ができる。

塾通いの子に携帯を持たせる文化が未だあるのなら、きっと小学5、6年生がスマホを持っている時代だ。そんな子たちならきっともっと、動画にフォーカスした新しいコンテンツを作ってくる。

かつて授業中に生まれていたマンガ描きは、動画クリエイターになっていくのかもしれない。

 

けれど結局、自分の創造した世界を一番簡単に表現できるのって文字か絵なので、物語を作る人はそれが紙であれデジタルあれ、一時期はマンガを描いてくれると願いたいです(笑)

 

以上、大変長くなりましたが、

・マンガは情報ではないので、(部分的に読めても)タダ化はしない

・そもそもマンガ好きになる前はタダ読みしてたよね

・デジタルでも紙でも、マンガの入り口が多いに越したことはない

 

新たなる疑問

・今の小学生ってマンガ描くの?動画編集できたりするの?

 

と、まとめて終わりたいと思います。

浮世絵を見かけたところからあれこれ考えて、たどり着いたマンガ論はこんなところでしょうか。

 

(書くと長くなってしまい、読みづらいのが今後の改善点だと自覚しました。)

 

お疲れ様でした! 

 

 

浮世絵販売が行われていたので、立ち止まって見てみた(1)

日曜日(余暇を過ごす大学4年生に曜日感覚はないが)、従兄妹と「この世界の片隅に」を観るべくテアトル新宿にやってきていました。

このアニメーション映画がとても優しく期待を上回る良作で、その後に食べた中村屋のカレーが美味しかったことも触れたいところだけれど、本題は浮世絵販売での出来事。

従兄弟とさよならした後向かったのは、
紀伊国屋書店新宿本店。

ここは、日本全国屈指の売上を誇る本屋さんで、書店でのアルバイト時代に見た日販の書店売上ランキングでは紀伊国屋書店が1位を飾っていました。

春先に早稲田の演劇館で行われていた「あゝ新宿 スペクタルとしての都市展」では、新宿御三家のひとつとして名を連ねていた由緒ある場所。

と、そんなことは知っておきながら実はしっかり見て回ったことがありませんでした。なんとなく広くて疲れそうだと思っていたんです。笑

 

そこで、今日は映画ついでに資格試験のテキストを買おうとしていたので「いい機会だな」と思い立ち、向かってみました。

カラーコーディネーター検定1級〈商品色彩〉が大学の生協にも地元の本屋さんにもなかったんですよね…。こういう資格のテキストはやる気を出したいのでAmazon等のネットでは買わない派です。ましてや中古買わないです。

そんな時に頼れるのが大手書店本店の品揃え、ということでばっちり在庫ありました。

 

1階から8階をぐるっと回った後、目当てのテキストを購入して退却する予定が目に入って来た。それがタイトルにある例の浮世絵です。

 

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葛飾北斎の『凱風快晴』)

 

8階分の店内を回ったヒールの脚はくたくた。本当なら立ち止まっていないでさっさと次の予定に向かいたい。

けれど茶掛かった赤富士に、相反するような空の色。本当なら赤の補色は緑で、せめぎあってチカチカするような配色。なのに同一のトーンが調和させている。

と、一応資格をとっているカラーコーディネーター検定2級までの知識でどうして目についたのかを考えているうちに、立ち止まっていました。

 

そこに浮世絵を扱っているおじさんが話しかけてきたのが、事の始まり。

 

職人の巻

まずは職人さんのお話から。「今はどこも跡継ぎがいない」とは人事でなく…展示されていた浮世絵を作っている彫師・摺師さんも少なくなっているそう。

※浮世絵:絵師(えし)・彫師(ほりし)・摺師(すりし)の三種類の職人から作られる伝統工芸。

彫師・摺師さんは修業期間も長いので経済産業大臣認定の国家資格を持つ伝統工芸士になった頃にはお年寄り。そこから弟子をとる元気も人数もいないんだとか…。「跡を継いでよお」と言われたものの、笑って受け流すには話題が重たかったネ。

 

ぐぐっていたら浮世絵プロジェクトなるものを見つけたので興味があったら☟

www.ukiyoeproject.com

 

 顔料の巻

赤富士に話題を戻すと、今度は顔料と染料のお話をしてくれました。

顔料と染料はどちらも色を付けるのに用いますが、水や油に溶けないものを顔料、溶けるものを染料と呼びます。

浮世絵は基本的に顔料が使われ、顔料にない色を使う時に染料を使うことがあるとのこと。

どおりで、店頭に並んでいる浮世絵にはくすみがかった色合いが多い。浮世絵に使われている天然鉱物顔料は自然界にある鉱物が主な原料となるので、どこか柔らかい印象を与えてくれます。

特に、この赤富士に見られる赤い部分。これは、摺り立ての頃の方が鮮やかな赤で、時間が経つにつれてくすんだ本来の色になるそう。

これは聞かないと知らずに終わりそうでした。

早稲田の巻

ここらで「どう?買わない?」と商売をしてきたおじさん。話を聞いた上で申し訳ないなあと思いながら、今すぐ買う気は起こりませんでした。

「来年社会人になったら出直しますねー。」とそろそろ面白い話も聞けたことだし去り際かなと思ったのですが話は続きました。

「学生さんだって関係ないよ。今日も新宿の向こうの大学の子が買ってったよ。」「ほら、スロープがあるとこの文学部。」

どこに何大があるなんて話には疎い私ですが、なんとなく母校かなと検討がつくので聞いてみました。「あー早稲田生ですかね。私もなんです。」

「そうそう!早稲田はいいよね、興味の方向が雑多だから!」急に堰を切ったように勢いづくおじさん。聞いててわかったんですが、商売柄、文化人や読書人にはうるさいみたいで。学生の系統を語り始めます。

「知ってるかい?大学生協で一番本が売れるのは早稲田なんだ。自由で色んなことに興味を持つからな、本を読むんだ。慶應上智中央みたいなミッション系は全然だ。化粧に金をかけるから本を買わない。法学の本しか売れないよ。うんたらかんたら」

しまいに「早稲田と法政は、化粧に金をかけないからな!」と。

それまではふむふむ、と浮世絵の話を聞いていましたが、大学の話となると気まずいですね。笑

生徒数や学校の規模は関係ないよと言うのでそこは気にしないとして、いまだに早稲田ってそういう割合が高いのでしょうか。肌感を頼ってもスッピンの子よりおしゃれで可愛い子が目に入っているだけな気がしてなんとも言えず…「早稲田でも人によりますからねー」と答えるしかないテーマです。

このおじさん、悪気があるようではなく、むしろ文化を好む学生が多い(らしい)早稲田を好いてくれている。若干の時代錯誤や早稲女差別を感じたものの笑、こっちも面白がりながら聞いていられます。

印刷と出版の巻

楽しくなってきたのかおじさん、今度は本が一番売れた年クイズをしてきました。「1960年代…?」

けれど気になる答えは聞けないまま、印刷技術が進んでポスターやら雑誌が作られるようになって、と話が流れます。

そこで私もマスコミ業界に進むんです、と話してみたら予想以上に食いついてくれ、そして心配されました。ネットが全部吸収しちゃうから、紙はダメなんだと。

浮世絵を売っているおじさんにそう言われてしまうと、少し…寂しい気持ちになりますね。

 

いわゆるファッション誌やマンガ誌、情報誌などの雑誌が、心配どころです。各雑誌ごとに主旨が違うので一概に言えませんが、やはり情報を根源にしている分野が気になります。

私はマンガ好きなので、「マンガは作家ありきなので、デジタルになってもマンガはマンガです。」と啖呵をきる形になりましたが…。笑

マンガ好きとしては黙っていられない議題です。

 

と、終いにはおじさんに電通から始まるマスコミ業界の話をされ、「死ぬ前にやるべきことがあるんだから死ぬなよ!」とエールを送られてさよならしました。

 

日曜の夕暮れ、濃い30分だったなア。

おじさん、結局買わなかったのにありがとね。

 

出版と印刷とデジタルの未来。

浮世絵をきっかけに、よくよく考えてみました。

 

(2)に続く

 

 

「ジブリの仲間」になりたいかって、それはなりたいよ。

前回の記事を書こうと思ったのは就活を終えてしばらくした10月、『何者』を観た時でした。

今回書こうとしている記事は、就活がまだ終わらない、6月下旬に買ったまま積ん読されていた本についてです。

 

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ジブリの仲間たち』(鈴木敏夫新潮新書

 

ところで、私はジブリが好きかと聞かれると、大好き!と言えない日本人です。

だってジブリが好きなのって当たり前すぎて、生半可な気持ちで言えなくないですか。

 

平成生まれの私たちは、気付いた頃にはジブリがいたんです。

 

魔女宅のジジって可愛い!黒猫にはジジって名前がいいなあ。

小学6年生で作った木彫りのオルゴール、イメージは天空の城のラピュタ

お風呂でこっそり、

「千だっ千がいるぞ!」(千と千尋の神隠し、カエル)

「ソフィー 火が消えちゃうよう」(ハウルの動く城カルシファー

って声真似をしてみたり。

 

家族もみんな好きだから、みんなで観に行く。今年のジブリはなんだろうねと友だちと話題にする。

そうやって過ごしてきた私たちは、ジブリが好きなことは当たり前。なんとなく、大好き!と言えないんです。

 

それで、『ジブリの仲間たち』を初めて書店で見た時は

嫌い嫌いも好きのうち、と誰かに指差されても言い訳できないような気持ちになりました。

悔しくて見ていられなかったのです。

素直に好きと言えないのに、見たら買ってしまうのがわかっていたので。

 

だって、タイトルが『ジブリの仲間たち』ですよ。

買って読んだら、それだけで仲間になれるような気がするじゃないですか。

ジブリの仲間」になれるものなら、なりたいに決まってるじゃないですか。

 

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と、なんだかんだ言いつつ買うことにしたので、

有隣堂秋葉原店で大量に積まれていた記念に撮っておきました。

(まさか掘り起こすことになるとは。)

 

文中でも「仲間」という言葉を用いている鈴木さんのことですから、

きっと鈴木さんが付けたタイトルなのだと思います。

いや、こうまで単純に誘導されているのだから、そうであってほしい。笑

 

ジブリがとなりにいるのが当たり前だった私たちは、

どうやってジブリがそこに辿り着いたのかを意識したことがありませんでした。

でも、私がこれからやりたいと思っているのはそういう仕事です。

 

満を持して読むことにしました。

 

こうしてブログを書き始めたということは、少なくともそれだけ鈴木さんの話が面白かったということに他なりません。

 

続かなかった

 

映画「何者」を観たら、東宝の人事Aさんを見つけました。

2016年10月26日。

映画「何者」を観てきた。

 

中田ヤスタカが音楽やってるとか、二階堂ふみ菅田将暉にもろもろ好きな役者がでてるとか、原作は朝井リョウで監督は三浦大輔(双方早稲田卒)だとか。

原作読んで内容を知っていても観に行こうと思っていた要素は多々あるんだけど。

 

 

「今、観て良かったな」と思えたのは、東宝の人事Aさんが映ってたから。

 

 

就活で唯一、面接前に手が震えてお腹がキリキリ痛くなったのは東宝の一次面接だった。

それはきっと、大学3年の夏にインターンシップ最終選考で落ちて以来「映画興行のリーディングカンパニー」から「目指したい場所が見える会社」に変わり、出版社の他に唯一強く意識していた会社だったからだ。

 

2月、映画関連の説明会で話していた人事Aさんを知る。帰り道で遭遇し、TOO YOUNG TO DIEの安否を尋ねた。

3月、人事Aさんは大学の学内説明会にも来ていた。もう顔を覚えていた。

そして某月、一次面接にいた面接官二人のうち、一人は人事Aさんだった。すぐに誰かわかった。

 
一次面接では隣で話していた男の子が「アルバイト先は映画館」「年間300本観ます」と、なんとまあ映画業界を受けるような人物だった。
私は私で、映画宣伝への考え、漫画オタクであることをぶら下げてなんとか受け答えた。あとはシナリオ通り退出するだけだ。
しかしここで、就活において最初で最後の「聞かれてもいないことを話す」事件が起こる。
 
「…あの、2月の説明会にも登壇されていましたよね」
「ああ、はい」
「その日にTOO YOUNG TO DIEの公開日を聞いた者なんですが…公開日決まって本当に嬉しいです!楽しみにしてます!」
「あ、良かったです。ぜひ観てくださいね。」
「はい!…すみません、どうしても言いたくて…ありがとうございました。失礼致します。」
 
そうして一礼し、部屋を退出した。
以前突発的にした質問、「TOO YOUNG TO DIEの公開日」がその頃には決定していたのだ。
 
映画の宣伝部を志望していた自分にとってあの映画の延期は、作品と社会の兼ね合い、映画の持つ影響力を実感した印象深い出来事だった。
番宣のためにテレビ出演していた神木くんも長瀬も、宣伝せずに放送が終わる。
この瞬間のために、何人がスケジュールを調整し、仕方のないこととはいえ、と落胆していたのだろう。関わっていた人の姿をテレビ越しに想像した。
 
それ故、つい言わずにいられなかったのだ。
 
これで落ちたかもしれない。扉を閉めた後、我に帰った。
面接で隣だった人は特に触れないでくれたが、「やってしまった…これが就活か…」とビルの出口へ歩きながら思った。
 
とはいえ、一次面接は通過。
 
東宝とご縁がなくなったのは、その次に行う筆記試験後だった。
後日、お祈りされた時は間違いなく初めて、「就活によるショック」を経験した。
心の行き場がなく、通知に気づいたバイト後は上の空。カラオケに行き、ゼミの同期を飲みに誘い、帰る頃にやっと少し立て直し。
そんなことを気にしていられない、原因も心当たりがある、と思いながらも、夢への道を一本失ったことを強く感じていた。
 
「終わっちゃったなあ…」
 
就活が終わった頃には、手に入らないものほど輝いて見える私にとって、東宝の人事Aさんは一種の「思い出のあの人」となっていた。
 
そこで冒頭の話に戻る。
 
映画「何者」にはたびたび選考シーンが映るが、終盤に主人公が1分間の自己紹介スピーチをする場面がある。
展開的にもクライマックスだ。
 
そこで右端に映っていたのが、「思い出のあの人」である人事Aさんだったのだ。
 
その瞬間、主人公の台詞どころじゃない。
私の頭に回想されるのは私の一次面接に切り替わった。
 
「心から良いと思える作品を人に伝えることが最大のモチベーションで」
「映画における宣伝の重要性と多様さが」
東宝のビジネスにおける姿勢に共感し」
 
こうして書くと、なんて陳腐になってしまうのだろうか。
 
何者でもない私が、あなたに志望理由を話したのを、私は今でも覚えています。
あの1シーンに過ぎった記憶と感情を、やはり1分で話すことは出来そうになく、こうして書き留めています。
 
人事の方が映画に出演する、というのは東宝といえどなかなかないことだろう。
そんな映画を自身の就活直後に観ることができた。
 
さらに、この原作「何者」を書いた朝井リョウさんは、「桐島、部活やめるってよ」で小説すばる新人賞を受賞しデビューしている方だ。
就活をテーマにした本作品とやや違った主旨の見方ではあるが、巡り巡って、これもまた思い入れのある作品として刻まれたように思う。
 
互いによく知りもしない就活生と人事は、勝手に好いたり好かれたり、嫌ったり嫌われたり。
就活が終わればそれまでの縁のように思っていた。
けれど、東宝の人事Aさんを忘れないでいたことが、私自身に、いつか東宝と協力して仕事をしたいと思わせている。
 
夢は努力で叶えるものだと、『バクマン。』が教えてくれた。
 
これから私は、自分の足で土俵に上がることができる。
なら、また夢の一つに向かうしかない。
 
 
 
追記
東宝の試験対策はしていたものの、甘く見ていた演劇分野は全然思い当たらず。
とはいえ、映画アニメ漫画などの映像関連や時事問題はそれなりにヤマが当たっていたので、ダメだったのは作文かなあと。
これから出版業界に進む私ですが、東宝ではほんっとうに書けなかった!という覚えがあるので忘れないよう。猛省。